パーソナルジムに行くと、食べたいものを禁止される。そう思って調べている人が多いです。
実際に通った人の投稿を集めて数えました。禁止や制限のことが書かれていたのは、思っていたより少数でした。
多かったのは、飲み会をどうするか、お菓子をどう減らすか、という調整の話です。
ただし、きつい制限をする店が存在しないわけではありません。それで体調を崩した記録も、国の機関に残っています。
この記事では、その両方を見たうえで、契約する前に何を聞けばいいかまで書きます。
パーソナルジムの食事指導は、禁止よりも調整のほうが多い
先に結論を書きます。
パーソナルジム8ブランドのクチコミ3,997件を読み、食事の指導にふれていたものを抜き出すと684件ありました(2026年8月取得)。
その中身を言葉で分けると、こうなります。

いちばん多いのは「無理をさせない」でした。
好きなものを取り上げられなかった。飲み会に行っていいと言われた。お菓子をやめろとは言われなかった。そういう書き方が386件です。
制限、禁止、我慢という言葉が入っていたのは81件でした。
差は4倍以上あります。
説明しているのが、全部ジムの側です
「パーソナルジム 食事指導」で調べると、出てくるのはジムが自分で書いた記事です。
読むと、どれも同じ構造をしています。
- 食事は大事です
- ただし当社は無理な制限をしません
- あなたに合わせて設計します
ここに嘘があるとは言いません。
ただ、自分の店の指導を「きついです」と書く事業者はいません。そして他社と並べて数えることもしません。
だから、実際に受けた人が書いたものを数えました。
お酒が好きな人の投稿から始まりました
きっかけは1件の投稿でした。
お腹まわりが気になっていて、お酒が好きで、それでも申し込んだ人。食事指導つきのコースを選んで、毎日やり取りをしていた、と書いてありました。
お酒をやめた、とは書いていません。
別の投稿には、飲み会があるなら前後で調整すればいい、と言われた話が出てきます。嗜好品を禁止するのではなく、バランスを取る方針だった、という書き方です。
お菓子が好きだと伝えたら、その習慣を否定されずに減らし方を提案された、というものもありました。
3件とも、内容は違います。
でも共通しているのは、好きなものを取り上げられていないことです。
これが1件や2件なら、たまたまです。だから全部数えました。
「制限された」と書いた人が81件しかいない理由
ここで、この数字の弱いところを先に書きます。
クチコミは、うまくいった人が書きます。
きつい制限をされて途中でやめた人は、わざわざ投稿しません。腹が立った人は書くこともありますが、多くは黙って消えます。
だから「制限が81件しかない」ことは、「制限する店が少ない」ことの証明にはなりません。
言えるのはここまでです。
食事の話を書いた684人のうち、書くほど印象に残ったのは制限ではなく調整のほうだった。
それでも、意味はあります。「パーソナルジムに行ったら好きなものを全部禁止される」という前提のほうが、実態から遠いということだからです。
ちなみに、ジムに通っても痩せない理由を調べた記事でも書きましたが、体重が動くかどうかはほぼ食事で決まります。ジムに行くだけで食事が変わらないなら、数字はあまり動きません。
食事の話が出てくること自体は、避けられません。
パーソナルジムの食事指導がしんどいのは、内容ではなく報告です
684件のうち、大変だった、つらかった、という言葉が入っていたのは110件でした。
中身を読むと、多くは「何を食べるか」の話ではありません。
毎日、食べたものを送ることの話です。
報告や記録の仕組みにふれていたのは92件。写真を撮って送る、アプリに入れる、返信をもらう、という形です。
これは効きます。人に見せる前提だと、選ぶものが変わるからです。
同時に、いちばん続かない部分でもあります。
トレーニングは週に1回か2回です。でも報告は毎日あります。
「パーソナルジム 食事指導 めんどくさい」と検索されているのは、ここです。メニューがつらいのではなく、毎日の送信がつらい。
だから契約前に、報告が毎日なのか、来店したときだけなのかを聞いてください。同じ「食事指導つき」でも、負担がまったく違います。
食事の話が出てくる割合は、店によって3倍以上ちがいます
ブランドごとに分けると、差がはっきり出ました。

いちばん高いところと低いところで、3.5倍の開きがあります。
これは「どこが厳しいか」の順位ではありません。
通った人が食事の話を書いたかどうか、というだけです。指導が丁寧で印象に残った場合も、きつくて印象に残った場合も、同じように件数に入ります。
それでも、食事に踏み込む量が店によって違うことは分かります。
体を変えたくて、食事も一緒に見てほしい人は、上のほうを見ればいい。運動だけ教わりたい人は、下のほうを見ればいい。
パーソナルジムというひとつの言葉でまとめられていますが、業態そのものが分かれているのと同じで、食事への踏み込み方も分かれています。
食事指導なしのパーソナルジムも、選べます
「食事は自分で何とかするので、運動だけ教えてほしい」
この選び方はできます。
クチコミの中に、無理な食事制限はなかった、きつい制限はなかった、と書いている投稿が22件ありました。運動を教わりに来ていて、食事には深く入られなかった人たちです。
また、食事指導つきのコースを選んだ、食事管理は別料金だった、という書き方も20件ありました。
つまり、契約の単位で分かれています。同じ店でも、食事まで見てもらうコースと、そうでないコースがある。
ただし、標準は食事あり寄りです。
国民生活センターが2022年に行った調査では、パーソナルジムの検索で上位に出る10サイトを見ています。事前にヒアリングをすると書いていたのが8サイト。そのうち5サイトは、食事の内容も確認すると書いていました。
半分以上が、入口で食事に入ってくる作りです。
だから「なし」を選びたいなら、こちらから言う必要があります。黙っていると、ついてくる前提で話が進みます。
体調を崩した記録が、国の機関に残っています
ここまでは「思ったより穏やかだった」という話でした。
反対側も書きます。
国民生活センターが2022年4月に出したパーソナル筋力トレーニングについての注意喚起に、こういう相談が載っています。
インターネットで見つけたパーソナルトレーニングジムと契約した。食事は完全に糖質をカットし、毎日食べたものを写真に撮ってトレーナーに送っていた。3週間ほどで上半身に湿疹が出て、病院で調べたところ、医師から糖質制限によるものだろうと診断された。(2021年6月受付、20歳代・女性)
要約して書きましたが、公表資料に載っている実際の相談です。
同じ資料には、けがや体調不良を経験した200人への調査もあります。
体調のほうで多かったのは、めまい、立ちくらみ、動悸、のぼせ、貧血で76人。吐き気や嘔吐が26人。湿疹などの皮膚の症状が9人でした。
そして、この200人のうち133人は、食事の指導もついた契約でした。
ここも読み方に注意が要ります。
パーソナルジムを使っている人全体で、食事指導つきが何割なのかは分かりません。だから「食事指導つきは危ない」とは言えません。
言えるのは、体調のほうで困った人が実際にいて、その多くが食事も一緒に見てもらっていたということです。
穏やかな店が多数派でも、そうでない店に当たる可能性はゼロにはなりません。
トレーナーに、食事を教える資格は要りません
ここは知らない人が多い部分です。
同じ資料に、はっきり書いてあります。パーソナルトレーニングを指導する人について、法律で決まった資格の義務はありません。
雇っている会社が決めるか、個人でやっている人なら本人が決めるか、そのどちらかです。
食事のほうも同じです。
栄養士法では、栄養士や管理栄養士という名前を使えるのは資格を持つ人だけと決めています。ただし、健康な人に食事の相談に乗ること自体を禁じてはいません。
一方で、病気を持っている人に対して治療のために行う栄養の指導は、管理栄養士の仕事として法律に書かれています。しかもその場合は、主治医の指導を受けなければならないと定められています。
つまり、こうなります。
- 健康な人が、食事の相談に乗ってもらう。これは資格がなくてもできる
- 持病があって、治療のために食事を変える。これは本来、医師と管理栄養士の領域
血圧や血糖の薬を飲んでいる人、内臓の病気がある人、妊娠中の人。この人たちは、ジムで食事の方針を決める前に、かかりつけの医師に相談してください。
ジムを疑えという話ではありません。境界がそこにある、というだけです。
もうひとつ、同じ調査で分かったことがあります。
上位10サイトのうち、けがや体調不良になったときにどうするかを利用規約などに書いていたのは6サイトでした。
そしてその6サイトはすべて、わざとやった場合などを除いて責任を負わない、という内容でした。
これは特別に悪質なわけではなく、体を動かすサービスではよくある書き方です。
ただ、知らずに契約するのと、知って契約するのは違います。
パーソナルジムの食事指導は、契約前に3つ聞けば分かります
ここまでを、聞くことに変えます。
| 聞くこと | なぜ聞くのか |
|---|---|
| 報告は毎日ですか、来店したときだけですか | しんどさの正体はここ。毎日の送信が続かない人は多い |
| やめたほうがいい食べ物を、先に決めていますか | 先に決まっているなら、その店の型に自分を合わせることになる |
| 指導する人は、どんな勉強をしていますか | 資格の義務がない以上、聞かないと分からない |
3つ目は、聞きにくいと感じるかもしれません。
でも、体験や見学のときに聞いて嫌な顔をされるなら、それも分かってよかったことです。
もうひとつ。お酒、外食、お菓子。やめたくないものがあるなら、先に言ってください。
684件を読んでいて印象に残ったのは、先に伝えた人ほど、その後の書き方が穏やかだったことです。あとから「実は飲みに行きたい」と言うより、最初に条件として出したほうが早い。
そして、パーソナルトレーニングがもったいないかどうかを調べた記事で書いたとおり、続くかどうかは料金の組み方でだいぶ決まります。食事指導も同じで、契約に含まれているのか、別料金なのかで扱いが変わります。
まとめ
パーソナルジムの食事指導について、分かったことを並べます。
- クチコミ3,997件のうち、食事指導にふれていたのは684件
- そのうち、無理をさせないという書き方が386件。制限や禁止は81件
- ただしクチコミは成功した人が書くので、この差をそのまま実態と読んではいけない
- 大変だと書かれていた110件の多くは、内容ではなく毎日の報告のこと
- 食事の話が出てくる割合は、ブランドで3.5倍の開きがある
- 国の資料には、きつい制限で体調を崩した相談が残っている
- 指導する人に、法律で決まった資格の義務はない
禁止されるのが怖くて踏み出せないなら、その心配は多数派の実態とはずれています。
怖がるべきなのは制限そのものではなく、自分の生活を聞かずに型を当ててくる店のほうです。
この記事の数字の出どころと、限界
- クチコミ:Googleマップの投稿。パーソナルジム8ブランド、797店舗、3,997件(2026年8月取得)。「食事指導」「食事管理」「栄養指導」「食生活」などの言葉が入っている投稿を684件抜き出し、その中に含まれる言葉でさらに分けています。内容は要約しており、そのままの引用はしていません
- 数え方の限界:1件の投稿に複数の要素が入るため、内訳の合計は684件を超えます。また、クチコミは満足した人が書きやすく、途中でやめた人の声はほとんど入っていません。ブランド別の割合は、その店の指導の強さを測ったものではなく、通った人が食事の話を書いたかどうかの割合です。件数が少ないブランドほど、割合は振れやすくなります。★の平均点は使っていません
- 国の資料:国民生活センター「『パーソナル筋力トレーニング』でのけがや体調不良に注意!」(2022年4月21日公表)。相談事例、体調不良の症状の内訳、食事指導の有無の内訳、トレーナーの資格に関する記述は、この公表資料の本文によります
- 法律:栄養士法(厚生労働省の法令データベース)
- 検索回数:Ahrefs(2026年8月取得)
この記事は、食事の内容や量を指示するものではありません。持病がある方、通院中の方、薬を飲んでいる方、妊娠中の方は、食事の方針を変える前に医師に相談してください。
体調が悪くなったときは、我慢して続けないでください。トレーナーに伝え、必要なら医療機関を受診してください。
