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ジムが恥ずかしい人へ|必要なのは勇気ではなく、動画3本でした

ジムに行きたい。でも、恥ずかしい。

そう思って検索すると、だいたいこう書いてあります。

「周りはあなたを見ていません」

RIZAPの記事は「初心者を批判的に見る人はほとんどいない」と書いています。スポーツクラブNASの記事にも「多くの人は自分のトレーニングに集中していて、他の人のことはそこまで見ていない」とあります。

読んで、どう思いましたか。

わたしは「そうかもしれないけど、それで行けたら苦労しない」と思いました。気にするなと言われて気にならなくなるなら、そもそも検索していません。

それに、この言い方には、もうひとつ引っかかるところがあります。

「見られるのが嫌」の中身を、わかっていない。

目次

わたしが本当に嫌だったのは、体型ではありませんでした

初めてジムに行った日のことを、今でもよく覚えています。

まず、服装で悩みました。スパッツは体の線が出すぎて恥ずかしい。かといって、ぶかぶかのジャージも変な気がする。そもそも、これで合っているのかがわからない。鏡の前で何回も着替えました。

でも本当にきつかったのは、服ではありませんでした。

マシンの使い方がわからないことです。

正確に言うと、わからないこと自体はいいんです。誰でも最初はそうですから。

耐えられなかったのは、わからない人だと思われることでした。

初心者だとバレたくない。慣れている人のように振る舞いたい。マシンの前で立ち止まって「これ、どうやって座るんだろう」と考えている数十秒。あの時間が、本当に長く感じました。

ちなみに、これは取り越し苦労でした。ジムのマナーについて84軒のクチコミを読んだのですが、「初心者が下手で迷惑」という投稿は、1件も見つかりませんでした。

ネットの記事は、たいてい体型を筆頭に挙げます。ファディーの記事は「最も多いのが体型への不安」と書いていますし、かたぎり塾のコラムも体型の見られ方への不安を挙げています。

でもわたしの場合、体型を見られるのは、正直そこまで気になりませんでした。太っていることは自分が一番わかっているので、いまさらです。

それより、下手だと思われるほうが嫌でした。

だから、家で全部調べていきました

2回目からは、対策を変えました。

行く前に、使うマシンを決めておく。名前で検索して、動画で使い方を見る。座る向き、握る場所、重さの変え方。全部、家で予習していきました。

そしてわかったことがあります。

マシンって、最初の数秒さえ乗り切れば、あとは同じ動きの繰り返しなんです。

座って、握って、引く。座って、握って、押す。それだけ。一度動かし始めてしまえば、周りから見て初心者かどうかなんて、まずわかりません。

難しいのは、座るまでの数秒だけ。そこを予習で埋めれば、ほぼ解決します。

あのとき「周りは見ていませんよ」と言われても、たぶん何も変わらなかったと思います。わたしに必要だったのは、励ましではなく、動画3本でした。

そして、いつのまにか気にならなくなりました

もうひとつ、当時は想像もしていなかったことがあります。

慣れると、恥ずかしさが消えます。

消えるどころか、途中から逆転しました。体が変わってくると、むしろ見てほしくなるんです。今日はこの重さが上がった、というのを誰かに気づいてほしい。

もちろん、痩せてからの話です。最初からそうだったわけではありません。

でも、ここが大事なところだと思っています。

恥ずかしさは、乗り越えるものではなく、時間が経つと勝手に消えるものです。

だとしたら、やることは決まります。消えるまでの数か月を、どうやって耐えるか。それだけです。

そして、耐えるための方法はあります。気合いではありません。店の選び方です。

調べたら、見られない店のほうが多数派でした

ここから、実際に調べた話をします。

やったことは単純です。Googleマップで「24時間ジム」「女性専用ジム」「完全個室ジム」と順番に検索して、出てきた店を1軒ずつ見ていきました。

見たのは3つです。

  • 住所(何階にあるか)
  • 営業時間(何時から何時まで開いているか)
  • クチコミ(実際に通っている人が書き込んだ感想)

東京・大阪・福岡で、合計84軒。似たような店ばかり出てくるようになったので、そこで止めました。

ひとつ断っておくと、全部の店に足を運んだわけではありません。ネット上に公開されている情報を集めて数えた調査です。

それでも、はっきりした結果が出ました。

なお、まだ通う店を決めていない場合は、ジム初心者におすすめのジムを先に読んでください。分からないときに聞ける店かどうかで、必要な準備の量が変わります。

10軒のうち8軒は、外から中が見えません

ジムの住所には、たいてい「〇〇ビル 3階」とか「B1F」と書いてあります。B1Fというのは地下1階のことです。

これを見れば、何階にあるかがわかります。番地までしか書いていない店は判断できないので、数から外しました。84軒のうち、階までわかったのが60軒。

階層別の店舗数を示す棒グラフ。2階以上が36軒60%、地下が12軒20%、1階の路面が12軒20%。地下と2階以上を合わせて48軒80%で、通りを歩く人からは中が見えない。

1階にあったのは、12軒だけでした。

この1階の12軒が、あとで別の意味を持ちます。24時間ジムのクチコミを調べたところ、ランニングマシンの正面が歩道に面していて通行人にじろじろ見られる、という書き込みがありました。ジムの出会いが不安な人へで詳しく書いています。

残りの48軒は、ビルの2階より上か、地下です。8割の店は、道を歩いている人から中が見えません。

これは意外でした。ジムというのは大きな窓があって、外から走っている人が丸見えになっているもの。ずっとそう思っていたからです。

実際は違いました。目立つ店だけが記憶に残っていただけで、ほとんどのジムはビルの中に隠れています。

つまり、こういうことです。

あなたが「見られない店を探す」必要はありません。ほとんどの店が、もう見られない場所にあります。

探すのではなく、見られる2割を避ける。それだけです。探すより、除けるほうがずっと簡単です。

ただし、「誰に」見られたくないかで話が変わります

ここは大事なので、少し立ち止まります。

「恥ずかしい」には、まったく違う2種類があります。

気づいたきっかけは、浅草にあるジムのクチコミでした。

「完全個室セルフジムQUICKWORKOUT 浅草店」という店です。名前のとおり、ひとりで使える個室のジム。そこに、こんな投稿がありました。

個室と宣伝しているが、人通りの多い角部屋のため窓から中が見えてしまう。カーテンはあるが薄く、日中は透ける。入口のドアにはカーテンがない。部屋が狭いので、ドアからも中が見える。

ここまでなら、よくある設備の不満です。

目が止まったのは、次の一文でした。

トレーニングに来た人に見られるのと、大勢の通行人に見られるのと、どちらがいいのか。

この人は、「見られる」を2つに分けています。

「ジムが恥ずかしい」から2つに分岐する図。中の人に見られるケースには完全個室・女性専用・空いている時間帯が効き、大型の総合クラブは逆効果。外の人に見られるケースには地下や2階以上・窓なし・共用入口が効き、路面店や大通りに面した窓は逆効果。

ひとつは、ジムの中にいる人に見られるのが嫌という気持ち。

これが、わたしが感じていたほうです。マシンの前で固まっているところを、隣の慣れた人に見られたくない。

もうひとつは、ジムの外にいる人に見られるのが嫌という気持ち。

ジムに通い始めたことを、会社の人に知られたくない。近所の人に「ジム行ってるの?」と言われたくない。

これ、けっこう切実だと思います。もし三日で辞めたら、辞めたことまで知られるからです。「最近ジム行ってるんだって?」と聞かれて「いや、もう行ってないです」と答える場面。あれを想像すると、始めるのが怖くなる。

そして、ここが重要です。

「周りは見ていません」と書いてある記事は、全部ひとつめの話しかしていません。

外から見られるのが嫌な人については、一言も触れていない。だから効かなかった。的が外れていたわけです。

「完全個室」でも、外から見えることがあります

さきほどの浅草の店に戻ります。

あの店は、嘘を書いていたわけではありません。実際に完全個室です。中の人に見られたくない人にとっては、条件に合った店です。

でも投稿した人が指摘したのは、外の話でした。窓から丸見えだ、と。

大事なので、はっきり書きます。

「完全個室」は、中にいる人から見えないという意味です。外の人からどう見えるかについては、何も言っていません。

女性専用も同じです。1階の道路沿いにあれば、出入りは外から見えます。今回調べた中にも、1階にある女性専用ジムが1軒ありました。

無人ジムも同様です。ガラス張りなら、外から中が見えます。

看板の言葉は、どちらの恥ずかしさに効くのかを教えてくれません。

なお、精神論だけで終わっていない記事もあります。RIZAPの女性向けの記事は、店選びの基準として、パーテーションで区切られたストレッチエリア、視線を遮るマシンの配置、更衣室の個室ブース、シャワーのカーテンの有無を挙げています。FIT PALETTEの記事も、個室のあるジムをすすめています。

ここは同意します。ただ、どちらも中の目の話です。外の目については、やはり誰も書いていません。

だから自分で確かめる。とはいえ、確かめるのは簡単です。

家で3つ、行って2つ。それだけです

確認することは5つ。そのうち3つは、スマホで済みます。

見ること 効くのは 調べ方
1 何階にあるか 外の目 住所を見る。地下か2階以上なら外から見えない
2 窓はあるか、どちら向きか 外の目 ストリートビューと店の写真
3 入口が道路に直接あるか 外の目 ストリートビュー。ビルの共用入口なら目立たない
4 受付を通る必要があるか 両方 見学のとき。指紋やカードで直接入れるか
5 その時間、何人いるか 中の目 実際に通う時間に見学する

1から3は、今すぐスマホでできます。住所に「B1F」や「3階」と書いてあれば、外の目については、それで終わりです。8割の店が当てはまります。

4番の受付も、意外と大きいところです。毎回スタッフの前を通ると、「今日も来ました」と申告している感覚になります。それが嫌な人は、指紋認証やカードで直接入れる店を選んでください。

そして5番。ここだけは外さないでください。

平日の昼に見学して「空いている」と思っても、通うのが平日の夜なら、まったく別の店です。

東池袋のジムには「日中は空いている時間が多く、マシンを選び放題」と書いてある一方、同じ地域の別の店には「夜9時に行ったら20人いて、やりたい種目がほとんどできなかった」とあります。新宿のジムには「18時半に行ったらベンチもダンベルもマシンも、ずっと待ちっぱなし」というものも。

マシン待ちは、初心者にとってつらいです。空くのを待って立っている時間が、そのまま「何をしていいかわからない人」に見える時間になるからです。

見学は、自分が通う時間に行ってください。

通い始めた人が挙げていた理由も、体型ではありませんでした

クチコミを読んでいて、自分の経験と重なる話がいくつもありました。

すっぴんで行けること

板橋の女性専用ジムに通っている人が、こう書いていました。

朝起きてすぐジムに行きたいときも、女性専用だから化粧をせずに行ける。だから続けられそうだ。

見られたくなかったのは、体型ではありませんでした。すっぴんです。

これは、よくわかります。これから汗をかきに行くのに、そのために化粧をするのは面倒です。かといって、すっぴんで人前に出るのも抵抗がある。その板挟みで、朝行くのをやめてしまう。

この理由は、上位に出てくる記事のどこにも書かれていませんでした。

指紋で入れること

大阪の女性専用ジムには、こんな投稿がありました。

女性専用なので見られる心配がなく、指紋認証で入館できるので安全。

受付を通らないということは、誰にも顔を見られないということです。

そもそも人がいないこと

福岡にある個室ジムは、クチコミがほぼこれ一色でした。

周りに人がいない環境でトレーニングできるのがストレスフリー。自分のペースででき、器具の順番待ちのストレスがない。完全個室で一人でトレーニングできるのがいい。

4件の投稿が、全部これです。

人がいない場所を求めている人は、少なくありません。あなただけではありません。

【細かい話なので、読み飛ばしても大丈夫です】

ここからは、もう少し詳しく知りたい方向けです。

さきほどの60軒を、店のタイプ別に分けてみたところ、妙なことが起きていました。

業態別の階層内訳。24時間ジム40軒は地下12軒・2階以上20軒・1階8軒。完全個室・レンタル12軒は2階以上9軒・1階3軒で地下ゼロ。女性専用8軒は2階以上7軒・1階1軒で地下ゼロ。

24時間ジムは、40軒のうち12軒が地下でした。3軒に1軒です。

ところが完全個室のジムと女性専用ジムには、地下が1軒もありませんでした。すべて1階か2階より上です。

逆のように思えます。いちばん「見られたくない人」が行きそうな店が、いちばん見えにくい地下を使っていない。

理由はわかりません。防犯上の判断かもしれませんし、たまたま地下にいい物件がなかっただけかもしれません。ここは断言できません。

なお、女性専用ジムを検討しているなら、「女性専用」が何を保証しているかを調べた記事もあわせてどうぞ。トレーナーに男性がいる店があります。

ただ、探すときには使えます。地下の女性専用ジムを探しても、おそらく見つかりません。2階以上で探したほうが早く決まります。

なお女性専用は22軒調べましたが、階までわかったのは8軒でした。この数字は参考程度に見てください。

あなたはどのタイプですか

使い方がわからないのを見られたくない方。わたしと同じです。

この場合、個室を選ぶと逆効果になります。誰も教えてくれないからです。

クチコミには「最初に使い方をひとつずつ教えてもらえたので安心できた」「最初の4回はトレーナーがマンツーマンでついてくれた」という理由で入会している人が、非常に多くいました。教わることに抵抗がなければ、そちらのほうが早い。

教わるのも嫌なら、わたしがやった方法があります。使うマシンを3つだけ決めて、動画で予習してから行く。最初の数秒さえ越えれば、あとは同じ動きの繰り返しです。

体型を見られたくない方は、個室のジムか女性専用から。どちらも1階の店が少ないので、中の目と外の目を同時に解決しやすくなります。大きなスポーツクラブは、フロアも更衣室も浴室も共用なので条件が厳しくなります。

通っていること自体を知られたくない方は、24時間ジムの地下です。3軒に1軒あります。窓がなく、出入りもビルの中で完結します。

ひとりで黙々とやりたい方は、個室かレンタルジム。ただし無人の店は、来ている人のマナーがそのまま環境になります。ある無人ジムには「ストレッチをする場所で、スマホを見ながら何十分も横になっている人がいて使えない」と書かれていました。ここは見学したほうがいいところです。

クチコミの★の点数は、あてになりません

店を選ぶときの注意をひとつ。

★の点数は、信用しないでください。

84軒を読んで、こんな投稿を見つけたからです。

初回の説明のときに、★5のレビューを書くよう頼まれる。当然、評価はよくなる。

良いレビューを書くと、店から何らかのサービスがある。読む人はそれを踏まえたほうがいい。

こうしたことをしている店が、複数ありました。とくに新しい店は、入会したばかりの人が書いた「スタッフが親切でした」「きれいでした」という短い投稿ばかりです。

見るべきは、点数ではなく本文です。

  • 「何時に行ったら何人いた」という、具体的な混み具合の記録
  • 「窓から見える」「外からは見えない」という、場所についての記述
  • 「受付を通らずに入れる」という、入口についての記述
  • 入ったばかりの人ではなく、何か月も何年も通っている人が書いた投稿

最後に

84軒分のクチコミを読み終えて、気づいたことがあります。

ちゃんと通えている人は、誰ひとり恥ずかしさを乗り越えていません。

すっぴんで行ける店を選んだ人。窓のない店を選んだ人。指紋で入れる店を選んだ人。誰もいない時間に行く人。

「気にしないようにしました」と書いている人は、ひとりもいませんでした。

みんな、気にしたまま、気にしなくていい場所に移動しているだけです。

わたしもそうでした。恥ずかしさと戦って勝ったわけではありません。予習していって、恥ずかしくない状況を作っただけです。

そして、しばらく通ったら消えました。

いまは、むしろ見てほしいくらいです。今日はこの重さが上がった、というのを誰かに気づいてほしい。あのころの自分に言っても、絶対に信じないと思います。

だから、こう考えてください。

恥ずかしいのは、最初の数か月だけです。

その数か月を、見られない場所で過ごせばいい。それだけのことです。

気になっている店の住所を見てください。「2階」や「B1F」と書いてあれば、その時点で外の心配は終わりです。

あとは、自分が通う時間に見学に行くだけ。

そして、その数か月をどう乗り切るか。ここも、気合いではなく店の条件で決まります。ジムが続かない理由を調べた記事に、続いている人が挙げていた条件をまとめました。

恥ずかしくない人になる必要はありません。恥ずかしくない場所を選べば、それで足ります。

この記事の調べ方と、限界

  • 調べた店:東京・大阪・福岡の24時間ジム47軒、女性専用ジム22軒、完全個室・レンタルジム15軒の合計84軒
  • 階の調べ方:Googleに登録されている住所に「B1F」「2F」「3階」などの記載があるものだけを数えました。番地までしか書かれていない24軒は除いています(数えられたのは60軒)
  • 情報のもと:Googleビジネスプロフィールの店舗情報とクチコミ本文(2026年8月28日時点)
  • クチコミ:内容は要約しており、そのままの引用はしていません。英語の投稿は日本語に要約しています

限界も書いておきます。

階は住所の表記から判断したもので、実際に行って確かめたわけではありません。窓があるかどうか、入口がどうなっているかは住所からはわからないので、クチコミの内容に頼っています。

店のタイプ別の数字は、女性専用が8軒、個室が12軒と数が少なく、「そういう傾向がありそうだ」以上のことは言えません。

また、前半に書いた自分の経験は、あくまで一人の感じ方です。同じように感じない方もいると思います。最後はご自身の目で確かめてください。この記事は、どこを見ればいいかの目安です。

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