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パーソナルジム経営は儲からない?年収・年商・利益率を売却案件175件で調べた【2026年】

パーソナルジム経営は、儲かるのか。儲からないのか。

開業や独立を考えている人なら、いちばん知りたいところだと思います。

ところが、ネットで探すと出てくるのは「年商2,000万円も可能」「最短6ヶ月で投資回収」といった、フランチャイズ本部のうまくいった店の数字ばかりです。

そこでジムラボ総研は、別の数字を集めました。

実際に売りに出された、パーソナルジムの数字です。

事業の売買サイト「BATONZ(バトンズ)」には、店を手放したいオーナーが、売上や利益を書いて案件を出しています。うまくいっている店も、赤字の店も、まとめて並んでいます。

その中から、パーソナルジム1店舗の売却案件175件を1件ずつ開いて、公開されている数字を集計しました。

結果は、こうなりました。

  • 1店舗の年商は、真ん中の値(中央値)で1,050万円
  • 営業利益率の中央値は18.9%
  • 利益がわかった店のうち、4店に1店は赤字

ただ、平均だけ見ても答えは出ません。

分布を並べると、「しっかり儲かる店」と「赤字の店」に、きれいに分かれていました。

この記事では、年商、利益率、オーナーの年収、フランチャイズと個人経営の違い、赤字の店の共通点、そして「店を売るといくらになるか」まで、順番に見ていきます。

目次

結論:パーソナルジム経営は儲かる?儲からない?

先に、答えを出しておきます。

パーソナルジム経営は「儲かる店」と「儲からない店」に分かれる商売です。

利益がわかった72件の内訳は、次のとおりでした。

利益の状態 件数 割合
黒字 49件 68%
ほぼゼロ(トントン) 5件 7%
赤字 18件 25%

3店に2店は黒字です。数字だけ見れば「儲からない」とは言えません。

ただし、残りの3分の1は、利益が出ていないか赤字です。

しかも、黒字の店の利益率は低くありません。売上と営業利益の両方がわかった54件で見ると、営業利益率が30%を超える店が21件ありました。同じ54件の中の赤字の店(13件)より多い数です。

つまり「みんなが少しずつ儲かっている」のではありません。儲かる店はかなり儲かり、儲からない店ははっきり赤字、という形です。

では、その分かれ目はどこにあるのか。

答えに入る前に、まずデータの集め方を説明します。ここを読むと、この数字が「どのくらい信用できるか」がわかります。

調査方法:M&A売却案件175件の公開情報

今回使ったのは、事業承継・M&AのマッチングサイトBATONZ(バトンズ)の売却案件です。

集計の手順は、次のとおりです。

手順 件数
「フィットネス・ジム」の売却案件(募集中・成約済み・募集終了を含む) 862件
うち、タイトルに「パーソナル」「プライベートジム」「マンツーマン」を含む案件 357件
うち、1店舗の売却で、居抜き(設備だけ)や他業態との複合ではない案件 188件
本文を確認し、実際は複数店舗・設備のみ・他業態だった案件を除いた数 175件

175件それぞれの案件ページを開き、ログインせずに誰でも見られる情報だけを集めました。会員だけが見られる財務情報は使っていません。

取ったのは、売上高の区分、本文に書かれた年商・月商、営業利益、会員数、トレーナーの人数、フランチャイズ加盟かどうか、譲渡希望額です。

集計日は2026年11月1日です。

このデータには、気をつけるべき点が2つあります。

1つめは、売りに出された店だけのデータであることです。うまくいかずに手放す店もあれば、利益が出ているうちに高く売りたい店もあります。どちらに偏っているかは、はっきりとは言えません。

2つめは、数字は売り手の申告であることです。BATONZ自身も、掲載情報は売り手の自己申告をもとにしていると書いています。

それでも、開業した人が「実際にいくら売り上げているか」を、これだけの件数で並べたデータはほかにありません。フランチャイズ本部の広告の数字よりは、ずっと現実に近いはずです。

では、いちばん基本の数字、年商から見ていきます。

パーソナルジム1店舗の年商・月商(売上の平均と中央値)

BATONZの案件には、売上高が「1,000万円〜3,000万円」のような区分で必ず表示されています。

まず、この区分で数えました。区分が表示されていた169件の結果です。

パーソナルジム1店舗の年商の区分。1,000万円未満85件、1,000万〜3,000万円64件、3,000万〜5,000万円16件、5,000万円以上4件
年商(売上高の区分) 件数 割合
1,000万円未満 85件 50.3%
1,000万〜3,000万円 64件 37.9%
3,000万〜5,000万円 16件 9.5%
5,000万円以上 4件 2.4%

ちょうど半分の店が、年商1,000万円に届いていません。

区分だけでは粗いので、次に、本文に売上の金額がはっきり書かれていた81件で、年商を計算しました。月商しか書かれていない店は、12倍して年額にそろえています。

パーソナルジム1店舗の年商の分布。中央値1,050万円、中位50%は600万〜1,680万円
指標 金額
年商の中央値 1,050万円
月商の中央値 約88万円
真ん中の半分の店 600万〜1,680万円
年商の平均 1,445万円

平均が中央値より高いのは、年商3,000万円を超える大きな店が12件あり、平均を引き上げているからです。「ふつうの店」の姿に近いのは、中央値の1,050万円のほうです。

区分で数えた結果(半分が1,000万円未満)と、金額で数えた結果(中央値1,050万円)が、ほぼ同じ場所を指しています。

なので、こう言って大きく外れないはずです。

パーソナルジム1店舗の年商は、だいたい1,000万円。月商にして80万〜90万円。

月商88万円は、1日何回のトレーニングか

月商88万円と聞いても、ピンとこないかもしれません。

回数に直してみます。

ジムラボ総研が248店の公式料金を調べたパーソナルジムの料金調査では、月4回プランの中央値が29,800円でした。1回あたり7,450円です。

月商88万円を7,450円で割ると、月に約118回。

月25日営業とすると、1日4〜5回です。

トレーナー1人でも回せる回数です。逆にいえば、年商1,000万円くらいの店の多くは、トレーナー1〜2人の小さな店だということです。

では、その売上から、いくら残るのか。

利益率と赤字の割合:4店に1店は赤字

売上と営業利益の両方が書かれていた54件で、営業利益率(売上のうち、営業利益として残る割合)を並べました。

パーソナルジム1店舗の営業利益率の分布。赤字13件、0〜10%が10件、10〜20%が4件、20〜30%が6件、30〜50%が16件、50%以上が5件
営業利益率 件数
赤字 13件
0〜10% 10件
10〜20% 4件
20〜30% 6件
30〜50% 16件
50%以上 5件

この形を見てください。

山が2つあります。「赤字〜10%」の山と、「30〜50%」の山です。真ん中の10〜30%は、むしろ少ない。

営業利益率の中央値は18.9%ですが、実際に18.9%前後の店は多くありません。儲かる店と儲からない店の、ちょうど間の数字にすぎないのです。

営業利益の金額で見ると、中央値は年176万円でした(60件)。

年176万円と聞くと少なく感じます。ただ、ここには注意点があります。

営業利益は、トレーナーの給料を払ったあとに残るお金です。オーナー自身がトレーナーとして働いている店では、オーナーの取り分が利益として出てくるので、数字の意味が変わります。

では、オーナーの手元には、いくら残っているのか。

パーソナルジム経営者の年収はいくら?(自分で指導する個人経営の場合)

「パーソナルジム 経営 年収」で調べる人は多いのですが、答えるのが難しい質問です。

オーナーが自分で指導するか、トレーナーを雇うかで、計算がまるで違うからです。

案件の中には、「オーナー所得」「代表者所得」「事業主の人件費を引く前の利益」のように、オーナーの取り分そのものを書いている店が9件ありました。多くは、オーナー自身がトレーナーを兼ねる小さな店です。

オーナーの取り分(年額) 件数
200万円未満 2件
300万〜500万円 3件
500万〜600万円 1件
800万円以上 3件

中央値は年430万円でした。幅は180万円から960万円まであります。

この430万円は、税金や社会保険料を払う前の金額です。会社員の額面年収と比べるなら、ここから国民健康保険や年金を自分で払う分を差し引いて考える必要があります。

まとめると、自分で指導する個人経営のパーソナルジムは、うまく回っている店で年収400万〜500万円前後、上の店で800万〜900万円台というのが、データから見える姿です。

件数は9件と少ないので、目安として見てください。

ここで気になるのが、フランチャイズに入ると数字は変わるのか、という点です。

フランチャイズ(FC)と個人経営の違い(参考値)

本文やタイトルに「FC加盟」「フランチャイズ」と書かれていた案件と、それ以外で分けてみました。

フランチャイズ加盟店と個人経営の店の年商の中央値。FC加盟店2,000万円、それ以外1,010万円
FC加盟店 それ以外
年商の中央値 2,000万円(13件) 1,010万円(68件)
営業利益率の中央値 26.5%(11件) 17.5%(43件)
赤字の店 12件中3件 60件中15件

FC加盟店の年商は、それ以外の店の約2倍でした。

ブランドの知名度や本部の集客で、売上を作りやすいのだと考えられます。営業利益はふつう、ロイヤリティ(本部に払う手数料)を費用として引いたあとの数字です。それでも、FC加盟店の利益率は低くありませんでした。

ただし、FC加盟店は13件しかありません。また「それ以外」には、FC加盟と書かれていないだけの店も含まれます。

なので、「FCのほうが儲かる」と言い切ることはできません。ここは参考値として見てください。

そして、FCでも赤字の店はあります。12件中3件。割合でいえば、FCでもそれ以外でも、4店に1店は赤字でした。

では、赤字になる店には、何が起きているのか。

赤字・失敗するパーソナルジムの共通点(家賃と稼働の実例)

「パーソナルジムは潰れる」「開業して失敗した」という話はよく聞きます。実際の案件では、何が起きているのでしょうか。

赤字だった18件の本文を読むと、理由として書かれていることは、だいたい3つに分かれました。

  • 開業してまだ日が浅い:会員が集まる前に売りに出している
  • トレーナーが足りない:個室や設備はあるのに、指導できる人が代表1人しかいない
  • 家賃が重い:売上に対して、固定費が大きすぎる

特にわかりやすいのが、家賃です。

家賃・月商・利益の3つがそろって書かれていた店を並べました。店名や案件番号は伏せています。

店 月商 家賃(月) 家賃÷月商 利益率
A 約100万円 約8万円 8% 46%
B 約107万円 約8万円 7% 26%(オーナー人件費を引く前)
C 約90万円 約27万円 30% 33%
D 約40万円 約13万円 32% 18%
E 約62万円 約22万円 35% 17%
F 約103万円 約48万円(共益費込み) 47% 24%
G 約30万円 約11万円 37% 53%(代表者所得。オーナー1人で指導)
H 約30万円 約22万円 72% 赤字(年−350万円)

家賃が月商の1割以下の店は、利益率が26〜46%と高めです。

家賃が月商の3割前後になると、利益率は20%前後まで下がる店が多くなります。例外は、オーナーが1人で指導していて人件費がかからない店Gです。

そして、家賃が月商の7割を超えた店Hは、大きな赤字でした。

件数は8件だけなので、きれいな法則とまでは言えません。それでも、パーソナルジムの損益は、家賃でかなり決まることは読み取れます。

パーソナルジムは、マシンを何十台も並べる商売ではありません。1回に見るお客さんは1人か2人です。広い場所や駅前の一等地は、売上を大きく増やしてはくれないのに、家賃だけは確実に増やします。

立地と出店の考え方は、ジムのフランチャイズと立地の調査でもくわしく扱っています。

では、うまくいかなかった店を手放すと、いくらで売れるのでしょうか。

パーソナルジムを売却するといくら?M&Aの相場

BATONZの案件には、売り手が希望する譲渡価格(譲渡希望額)が表示されています。175件のうち、金額がわかった163件で集計しました。

指標 金額
譲渡希望額の中央値 400万円
真ん中の半分の店 150万〜1,000万円
0円〜1円で手放す店 8件
年商に対する希望額(75件) 中央値0.56倍
営業利益に対する希望額(37件) 中央値約1.7年分

パーソナルジム1店舗は、だいたい400万円前後で売りに出されています。

営業利益の約1.7年分です。小さな会社のM&Aでは「営業利益の数年分」を価格の目安にする考え方がよく紹介されますが、それより短い水準です。

理由はいくつか考えられます。パーソナルジムの売上は、トレーナー個人についているお客さんで成り立っていることが多く、オーナーやトレーナーが抜けると、売上が残る保証がありません。買う側から見ると、リスクのある買い物なのです。

そして、0円や1円で手放している店が8件ありました。内装や設備に数百万円かけた店を、ただ同然で譲っているということです。

ちなみに、パーソナルジムの売却案件は増えています。今回の188件を掲載が始まった年で数えると、2022年が18件、2023年が32件、2024年が38件、2025年が50件でした。BATONZ自体の掲載件数も伸びているので、すべてが市場の変化とは言えませんが、売りに出す店が増えているのは確かです。

ここまでのデータを、開業を考えている人の目線でまとめます。

パーソナルジム開業前に確認したい損益ライン

開業で失敗しないために、ここまでの数字から、開業前に計算しておきたいことを1つの式にまとめます。

毎月の固定費 + 自分がほしい月収 = 1回の単価 × 月の回数

たとえば、こんな条件で計算してみます。

項目 金額
家賃 15万円
家賃以外の固定費(光熱費・予約システム・広告など) 5万円
自分がほしい月収 30万円
合計 50万円

1回7,450円なら、50万円 ÷ 7,450円で、月67回。月25日営業で、1日2.7回です。

年商の中央値の店(月約118回)なら、届く数字です。

ただし、この「月67回」には、会員の入れ替わりが入っていません。パーソナルジムは、やめる人が出ることを前提に、毎月新しい人を集め続ける必要があります。ジムラボ総研のジムの継続率調査では、ジムに通い始めた人のうち1年後も続いていたのは41.3%でした。

開業前に確かめておきたいのは、次の3つです。

  • 家賃は月商の何割になりそうか:3割を超えるなら、利益はかなり薄くなる
  • 自分以外に指導できる人はいるか:1人で回すなら、1日の上限回数がそのまま売上の上限になる
  • やめた会員の穴を、毎月何人で埋める必要があるか:集客の計画がないと、赤字の山の側に入る

今回のデータで、黒字の店と赤字の店を分けていたのは、才能や運よりも、家賃と人と集客という、開業前に計算できるものでした。

よくある質問

パーソナルジム1店舗の年商はいくらですか?

BATONZに掲載されたパーソナルジム1店舗の売却案件で、売上の金額が書かれていた81件の中央値は1,050万円でした。月商にすると約88万円です。売上高の区分で見ると、169件のうち50.3%が年商1,000万円未満でした。

パーソナルジムの利益率はどのくらいですか?

売上と営業利益の両方が書かれていた54件で、営業利益率の中央値は18.9%でした。ただし、赤字の店と、利益率30%を超える店の2つの山に分かれており、18.9%前後の店は多くありません。

パーソナルジム経営は儲からないのですか?

利益がわかった72件のうち、黒字は68%、赤字は25%でした。儲からない商売ではありませんが、4店に1店は赤字です。家賃が月商に対して重い店や、トレーナーが足りない店で赤字が目立ちました。

パーソナルジムを売却するといくらになりますか?

譲渡希望額がわかった163件の中央値は400万円で、営業利益の約1.7年分でした。0円や1円で手放している店も8件ありました。

このデータはどこから集めたものですか?

事業承継・M&Aのマッチングサイト「BATONZ」に掲載された、パーソナルジム1店舗の売却案件175件です。ログインせずに見られる公開情報だけを、2026年11月1日に集計しました。数字は売り手の申告であり、売りに出された店に限られる点に注意してください。

データの引用について

この記事の数字や図は、出典を明記していただければ、自由に引用していただけます。

引用の際は「ジムラボ総研『パーソナルジム経営の年商・利益率調査2026』」と、この記事のURLを記載してください。

主な数字は次のとおりです。

  • パーソナルジム1店舗の年商の中央値:1,050万円(月商約88万円、81件)
  • 年商1,000万円未満の店:50.3%(169件)
  • 営業利益率の中央値:18.9%(54件)
  • 赤字の店:25%(72件中18件)
  • オーナーの取り分の中央値:年430万円(9件)
  • 譲渡希望額の中央値:400万円(163件)、営業利益の約1.7年分

出典:ジムラボ総研「パーソナルジム経営の年商・利益率調査2026」(BATONZ掲載のパーソナルジム1店舗の売却案件175件の公開情報を、2026年11月1日に集計)

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調査の出どころ

データは、BATONZ「フィットネス・ジム」の売却案件一覧と、各案件ページのうち、ログインなしで表示される情報から集めました。案件の本文はそのまま載せず、数字だけを集計しています。

年商は、本文に年商・売上高が書かれていればその金額、月商だけが書かれていれば12倍した金額です。「1,000万〜1,100万円」のように幅がある場合は、真ん中の値を使いました。10ヶ月分の売上だけが書かれていた店は、12ヶ月分に換算しています。

営業利益率は、営業利益と売上の両方が書かれていた店で計算しました。「オーナー所得」「代表者所得」など、オーナーの取り分として書かれた利益は、営業利益とは分けて集計しています。

この記事は、特定のフランチャイズや売却案件をすすめるものではありません。

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