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ジムに通っても痩せないのは当然です|厚労省の資料が示す「体重が動かない」の正体

ジムに通っているのに、痩せない。

週に2回、ちゃんと行っている。サボってもいない。それなのに体重計の数字が動かない。

この記事の結論を、先に書きます。

当たり前です。ジムに、痩せる機能はほとんどありません。

身も蓋もない話ですが、ここから始めないと、いつまでも同じところで悩むことになります。順に説明します。

目次

痩せるかどうかは、ほぼ食事で決まります

体重が減るか増えるかは、入ってくるカロリーと出ていくカロリーの差で決まります。

そして入ってくる側のほうが、圧倒的に動かしやすい。

ごはん1杯を減らすのは数秒で終わります。同じだけのカロリーを運動で消費しようとすると、それなりの時間がかかります。

これは感覚の話ではありません。厚生労働省のe-ヘルスネットに掲載されている「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」の情報シートには、こう書かれています。

体脂肪1kgを減らすために必要なエネルギー量は約7,000kcalであり、肥満の方の場合は、身体活動による消費と食事で摂取するエネルギー量を調整することで、計画的に減量を図ることが必要である。

「身体活動による消費」と「食事で摂取するエネルギー量」の両方を調整する、と書かれています。運動だけでも、食事だけでもありません。

そして体脂肪1kgで約7,000kcal。これを運動だけで作ろうとすると、相当な量になります。

つまり、こういうことです。

食事を変えずにジムだけ通っても、体重はほとんど動きません。これは根性の問題でも、通う回数の問題でもありません。

では、ジムは何をしているのか

痩せるまでの流れを分解すると、3つの段階に分かれます。

痩せる仕組みとジムが担当する範囲を示す図。1つ目の食事を変えるにはジムは関与しない。2つ目の有酸素運動は外を歩いても同じ。3つ目の筋トレでジムが役に立つ。

1つ目は、食事を変えること。摂取カロリーを減らします。ここにジムは関与していません。

2つ目は、有酸素運動。消費カロリーを増やします。ただし、これは外を歩いても同じです。

3つ目が、筋トレ。ここでようやくジムが出てきます。

ただし目的が違います。筋トレは、痩せるためのものではありません。

食事を減らすと、体は脂肪だけでなく筋肉も落とそうとします。それを防ぐために、筋肉を使い続ける必要がある。筋トレは、減らす過程で筋肉を守るための作業です。

同じe-ヘルスネットの情報シートには、こうも書かれています。

健康の保持・増進のためには、身体活動量に応じてエネルギー収支バランスを適切に保ち、必要な栄養素を過不足なく摂取することが基本となる。

運動量に「応じて」栄養を摂る、という順序です。運動が主で食事が従、ではありません。

だから、こう整理できます。

食事が痩せさせる。筋トレは、痩せ方を変える。

体重を落とすのは食事。落ちるときに何が落ちるかを決めるのが筋トレ。役割がまったく別なんです。

正直に言うと、ジムでなくてもできます

ここまで書いて、当然の疑問が出てきます。

有酸素運動が目的なら、ランニングマシンで歩く必要はありません。外を歩けばいい。景色も変わるし、お金もかかりません。

筋トレも、自宅でできます。スクワット、バックランジ、腕立て、腹筋。器具がなくても、自分の体重で十分な負荷はかけられます。

そして食事は、そもそもジムの外の話です。

つまり、理屈のうえでは、ジムに行かなくても痩せられます。

これは事実です。実際、自宅だけで減量に成功する人はいくらでもいます。

それでも、ほとんどの人はやりません

ただ、ここで現実の話をします。

家で毎日バックランジを30回やる人が、どれだけいるでしょうか。

やり方は誰でも知っています。道具も要りません。お金もかからない。それでも、やらない。

3日は続きます。1週間もつこともあります。でも1か月続く人は、ほとんどいません。

ジムに価値があるとしたら、ここです。

ひとりではやらないことを、やる場所。それ以上でも以下でもありません。

マシンが充実しているからでも、設備がきれいだからでもない。行けばやる、という状態を外から作ってくれるからです。

実際に痩せた人の投稿を、集めました

ここまでは理屈です。実際のところどうなのか、Googleマップのクチコミで確認しました。

東京・大阪・福岡のジムのクチコミから、体重や体脂肪率の数字を明記している投稿を18件集めました。

減量の数字を書いた投稿18件のうち、11件に食事についての記述があったことを示す図。残る7件は投稿が短く記述がない。

18件のうち11件に、食事についての記述がありました。

残る7件は投稿自体が短く、書かれていないだけの可能性があります。「必ず」とは言えません。

ただ、記述があるものは、かなり具体的でした。

6か月で13.5kg減、ウエスト18cm減

福岡のジムに通っている方の投稿です。膝への負担を減らすために減量を始めた、と書かれています。

教わった食べ方と、量を意識することで痩せられた。以前に膝を痛めて手術とリハビリをしたが痛みは良くならなかった。

トレーニングの内容ではなく、食べ方が理由として挙げられています。

19.5kg減、体脂肪12.7%減、服がLからSに

同じく福岡のジムの投稿です。

今まで食べていたものの代替案をアドバイスしてもらえたので、自分の好みに合わせて食事を改善できた。

ここでも食事です。そして注目したいのは「代替案」という言葉。禁止ではありません。

産後2.5か月で約7kg減

大阪のジムの投稿。24回のコースで、週2〜3回通ったそうです。

食事については、どの食品を足すべきかを写真で説明してもらえた。空腹との戦いだと思っていたが、まったくそうではなく、食べながら痩せることができた。

「足すべきか」です。減らす話ではありません。

いちばん意外だったのは、書かれ方でした

11件を並べて読んで、共通点に気づきました。

食事の話が、ほぼ全部「制限」ではなく「置き換え」として書かれているんです。

東京のジムには、こんな投稿がありました。

食事カウンセリングは、極端な糖質制限ではない。不要な脂質を落とすところから始めるので、続けやすい。

福岡のジムには、こう書かれていました。

いつもの食事の置き換えレシピを提案してもらえたので、ストレスが少なく食事を改善できた。

別の投稿では、こうです。

毎日食事を報告しないといけないので、外食のときも普段の食事のときも、意識するようになった。

禁止でも、我慢でもありません。置き換える、足す、報告する。この3つが繰り返し出てきました。

これは、そういうやり方でないと続かないということだと思います。極端な制限は、短期間なら効きます。でも投稿している人たちは数か月から数年続けている人たちです。

24時間ジムのクチコミには、体重の話が出てきません

もうひとつ、対比としてはっきりした傾向がありました。

この調査では、24時間ジムのクチコミも100件以上読んでいます。chocoZAP、Anytime Fitness、FIT PLACE24、その他。

読んだ範囲で、「何kg痩せた」という記述を1件も見つけていません。

書かれているのは、設備、清潔さ、混雑状況、価格、スタッフの対応です。

ただし、これを「24時間ジムでは痩せない」の証明にはできません。利用者の目的が違うからです。減量目的の人もいれば、体力維持や筋力向上の人もいる。習慣づけのために通っている人もいます。

言えるのは、減量の報告をする人が、そこにはいなかったということだけです。

そして、これも当然かもしれません。24時間ジムには食事に関わる仕組みがないからです。

だから、店選びの基準が変わります

ここまでの話をまとめると、選ぶときに見るところが変わってきます。

なお、そもそもジムにどんな種類があるのかはパーソナルジムと普通のジムの違いを整理した記事に書きました。食事に関与する仕組みがあるかどうかは、業態によってかなり違います。

確認すること 理由
1 食事に関与する仕組みがあるか 痩せるかどうかは、ほぼここで決まるため
2 食事指導が「制限」か「置き換え」か 制限型は続きにくいため
3 報告する仕組みがあるか 報告するだけで意識が変わるという記述が複数あった
4 ジムにいない時間に連絡が取れるか 体が変わるのは、ジムにいない時間だから
5 行かざるを得ない仕組みがあるか ひとりではやらないから通うため

マシンの種類でも、店の広さでもありません。1〜4は全部、ジムの外の話です。

業態で言うと

24時間ジム・chocoZAPには、1〜4がありません。5だけがあります。

だから「痩せるため」に選ぶなら、食事は自分で管理する前提になります。それができるなら、費用が最も安く済みます。

パーソナルジムは、1〜5をすべて持っている可能性があります。ただし店によって差が大きい。

食事指導が含まれるか、どこまで含まれるかは、契約前に必ず確認してください。「アドバイスします」と「毎日報告して返信をもらえる」では、まったく別のサービスです。

セミパーソナルは中間です。食事に関与する店もあれば、しない店もあります。

それでも動かないとき

食事も変えている、通ってもいる。それでも数字が動かない場合があります。

ここで、先ほどのe-ヘルスネットの情報シートに、こういう一文があります。

肥満の方もやせの方も、体重や体組成に変化がなければ、エネルギー摂取量とエネルギー消費量は等しいと考えられます。

そっけない書き方ですが、これが答えです。

体重が動いていないなら、入っている量と出ている量が釣り合っている。それだけのことです。がんばりが足りないのでも、体質のせいでもありません。

ジムに通う回数を増やしても、この釣り合いは大きくは動きません。動かせるのは、主に入ってくる側です。

そもそも「週何回行けばいいのか」という問いについては、別の記事で調べました。国がすすめている3つのうち、筋トレは3番目です。いちばん量が多いのは「毎日8,000歩くらい歩く」で、ジムの外の話でした。

ひとつ、実際の記録を紹介します。大阪のジムに通っている方の投稿です。

開始時は90kg、体脂肪26%。今は86.6kg、体脂肪23.3%。体重はそんなに減っていないと思うかもしれない。でも周りからは、明らかに体型が変わったと言われる。

3.4kgです。数字だけ見れば、たいして減っていません。

でも体脂肪率は2.7ポイント下がっていて、周囲には変化が見えている。

体重計だけを見ていると、この変化に気づけません。

ちなみに、体重を増やしている人もいます。同じ調査の中に、24回のコースで70kgから79kgになった方の投稿がありました。体脂肪率は15%前後でほぼ変わらず、増えたのは筋肉です。その人にとっては成功です。

体重は、目的ではありません。目的を測る手段のひとつでしかない。

だから、記録するなら複数にしてください。体重、体脂肪率、ウエスト、そして写真。動いていないのは体重だけで、他は動いているかもしれません。

では、実際にはどれくらい動くのか。通った人が書いた数字を143件数えた記事で、期間ごとの減量幅を出しています。同じ1ヶ月でも12倍の開きがありました。

まとめ

長くなったので、整理します。

  • ジムに痩せる機能は、ほとんどありません。痩せるかどうかは、ほぼ食事で決まります
  • ジムが担当するのは、減量中に筋肉を落とさないための筋トレ。痩せるためではなく、痩せ方を変えるためです
  • 理屈のうえでは、外を歩いて自重でやれば、ジムは要りません
  • それでも通う理由があるとしたら、ひとりではやらないからです
  • 実際に数字を出して痩せた投稿18件のうち、11件に食事の記述がありました
  • その食事の中身は、ほぼ全部が制限ではなく置き換えでした
  • だから店を選ぶときは、マシンではなく食事に関与する仕組みがあるかを見てください

通っているのに痩せないなら、変えるべきはトレーニングの回数ではありません。

食事です。そして、それを自分ひとりで管理できないなら、管理してくれる仕組みのある店を選ぶ。それだけの話です。

この記事の調べ方と、限界

  • 調べたもの:Googleマップに登録されている東京・大阪・福岡のパーソナルジム、セミパーソナルジム、24時間ジムの店舗情報とクチコミ本文(2026年8月29日時点)
  • 抽出した内容:体重・体脂肪率・サイズの数字を明記している投稿18件と、その投稿における食事への言及
  • クチコミの扱い:内容は要約しており、そのままの引用はしていません。英語の投稿は日本語に要約しています

限界を書いておきます。

「食事指導があったから痩せた」のか、「痩せた人が食事についても書きやすい」のかは、この方法では区別できません。相関があることしか言えず、原因と結果の関係は示せていません。

また、クチコミを書くのは結果が出た人に偏ります。痩せなかった人は、投稿しません。だから18件は、成功例だけを集めたものです。

24時間ジムに減量の記述が見つからなかったことも、「見つからなかった」以上の意味はありません。利用目的が違う人が混ざっており、比較できる形になっていません。

そして、この記事は減量の方法を指導するものではありません。具体的な食事内容や摂取量については、専門家に相談してください。持病がある方、通院中の方は、なおさらです。

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